部活動指導員ってどんな制度?
ここ数年で学校の先生の労働時間が問題になり、新しい制度として導入された「部活動指導員」の制度。
簡単に説明すると、今まで学校の先生が行っていた部活動の指導を外部の経験豊富な指導者にやってもらおう!というものです。
部活動指導員の募集が活発になった背景には学校がかかえるこのような問題が背景にあります。
現在の部活動の現状
- 未経験の教師が指導に当たり、効果的な指導が行き届いていない
- 教師の労働時間が長すぎて、部活動を削減せざるを得ない
これらの問題を解決するために、スポーツ経験が豊富で部活動を指導できる指導員への委託です!
文部科学省でも平成29年度から部活動指導員の募集を積極的に行っており、各自治体で多額の予算を費やしています。
部活動指導員になりたい人は今がチャンスです!
「これから部活動指導員になりたい方」や「部活動指導員に部活をお願いしたいけど、全部任せられるの?と悩む先生」のために、部活動指導員ができる仕事とできない仕事を解説します!
部活動指導員ができることって?
部活動指導員に全部任せることができるの、、、?
結論から言うと、「ほとんどできる(ことになっている)!」です!
↓文部科学省からの通達↓
校長は,部活動指導員に部活動の顧問を命じることができること。また,教諭等の顧問を置かず,部活動指導員のみを顧問とする場合は,当該部活動を担当する教諭等を指定し,上記にあるように年間・月間指導計画の作成,生徒指導,事故が発生した場合の対応等の必要な職務に当たらせること。
学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知) (mext.go.jp)
文部科学省のページに詳しい内容が書かれているので、抜粋して元中学教師がわかりやすく解説します!
指導員ができる仕事
- 実技指導
- 安全・障害予防に関する知識・技能の指導
- 学校外での活動(大会・練習試合等)の引率
- 用具・施設の点検・管理
- 部活動の管理運営(会計管理等)
- 保護者等への連絡
- 年間・月間指導計画の作成
部活動指導員が作成する場合は,学校教育の一環である部活動と教育課程との関連を図るためなど必要に応じ教諭等と連携して作成し,校長の承認を得ること。
- 生徒指導に係る対応
部活動指導員は,部活動中,日常的な生徒指導に係る対応を行うこと。いじめや暴力行為等の事案が発生した場合等には,速やかに教諭等に連絡し,教諭等とともに学校として組織的に対応を行うこと。
- 事故が発生した場合の現場対応
部活動指導員は,事故が発生した場合は,応急手当,救急車の要請,医療機関への搬送,保護者への連絡等を行い,必ず教諭等へ報告すること。特に,重大な事故が発生した場合には,学校全体で協力して対応する必要があるため,直ちに教諭等に連絡すること。
文部科学省はOKとは言っていますが、現場の教員から見るとまだまだ全部委託するのは難しくない?と思う点があります。
文部科学省が出しているこれらの仕事について1つ1つ本当に委託できるのか考えてみます!
実際どうなの?って部分に触れて解説します!
実技指導
実技指導は要するに部活動の実際の指導のことです。
部活動指導員のメインの仕事内容ですね。
契約した曜日・時間に学校に行って部活動の指導を行います。この時間に生徒の技術向上をしたり、信頼関係を構築してチーム作りをして行きます!
指導に行く曜日や時間は契約によります
教師がしないといけない「実技指導」
外部指導に委託してしまえば、一切の指導をしなくて済むようになります!
ただ今のところはは休日のみの委託にとどまっている自治体が多く、平日の業後の部活動は見る必要がありそうです。
安全・障害予防に関する知識・技能の指導
安全や事故防止に関することも指導で行います。
具体的には活動開始前後の健康観察や準備運動などをさせることがこれにあたります。
部活動指導員として指導に当たる場合は、学校側は指導員に対して安全保障に関する指導を行うことが義務付けられています。そのため契約開始時、もしくは定期的に安全講習会などに参加する必要があります。
マニュアルによって30分活動したら5分以上の休憩をとることを決められていることも多いです。
教師がしないといけない「安全・障害予防に関する知識・技能の指導」
指導員に対して安全講習会等を行って、緊急時にどのよう対応するかの打ち合わせをすることが義務付けられています。
学校外での活動(大会・練習試合等)の引率
大会引率も指導員の方一人で行うことができます。
その際の注意点として、大会の運営がどの機関が起こっているかに注意する必要があります。学生大会は中学校体育連盟が主催するものか、スポーツクラブが主催するものに分けられます。
体育連盟が主催している場合で、一部の大会は学校の先生が引率しなければならないとされている場合もあります。一方で、スポーツクラブ等の民間で運営されているものは、学校活動とは完全に別の大会なので部活動指導員が一人で引率することができます。
大会の参加費は学校から出るため、事前に顧問の先生に費用の請求をする必要があります。
部活動指導員が増えて全て指導員だけでOKとなるといいなと思います!
教師がしないといけない「学校外での活動(大会・練習試合等)の引率」
地域のスポーツクラブが運営している場合は、学校とは関係なく行われている大会なので学校の先生は一切関わる必要がありませが、体育連盟が主催しているものは教育委員会が管轄のため、運営として入っている先生は大会の責任者として参加しなければなりません。
用具・施設の点検・管理
学校側から担当している部活動の器具は点検をお願いしますと言われると思います。
とは言え、学校ではそれぞれの先生に責任者として担当場所が振り分けられているため、月一で先生たちで点検しているはずです。そのため指導員が自分で施設の点検をしっかりして、報告をするということはないです。
ただ、練習をする際にサッカーゴールが倒れてキーパーの子は怪我しないかと言った確認はしないとダメです。
これはほとんど学校の先生がやってくれるから気にしないでオッケー
教師がしないといけない「用具・施設の点検・管理」
月一になっている安全点検をしっかりしましょう!
その他老朽化していたり心配なところがあれば、指導員の方に伝えて生徒たちが怪我なく部活動ができるようにしましょう。
部活動の管理運営(会計管理等)
お金に関することは、学校の顧問の先生とよく相談して決めまる必要があります。
基本的にはユニフォームや練習着を今まで注文してきた業者と契約をしていると思うので、ユニフォーム代等のお金は学校の先生がやってくれます。
唯一、大会の参加費はその場で支払うシステムになっている大会もあるので、大会前に学校に申請して事前にお金を受け取っておくか、支払を自分でして領収書をもらっておいてあとでお金をもらうという形になります。
教師がしないといけない「部活動の管理運営(会計管理等)」
指導員の方にお願いして問題になると危険なので、基本的にお金の管理は学校の先生でやることになります。
ユニフォームの注文等は業者に任せてお金の集金等の業務が発生します。
保護者等への連絡
保護者への連絡については個人情報なのでとても難しいです。学校によって個人情報の扱い方に多少の差があり、最近の流れとして顧問の先生でも生徒への連絡がとても難しい現状があります。
運動部をしているとどうしてもケガなどで保護者連絡しなければならない状況が多々あります。その場合は学校の指示で連絡を行うことになるので、言われた通りにやっておけばいいですが最近はタブレットを使った連絡方法なども発達しているので、その方法は覚えておかなければなりません。
保護者への連絡方法色々
- 学校の先生のみ保護者の携帯電話にかけることができる
- メーリングリストを使って一斉配信できる
- 生徒のタブレットにチームス等のアプリで連絡する
連絡方法は初回からきちんと教えてもらっておきましょう
教師がしないといけない「保護者等への連絡」
保護者連絡は個人情報が関係するから教員側が慎重に留意して扱う必要があります。
最近は個人情報の問題もうるさいので、教員側でしっかりと管理をするようにしないと大問題になってしまいます!
具体的には部活動指導員に連絡先を渡していいかをすべての部員の保護者に確認して、指導員から直接スムーズに連絡してもらうようにするか、学校で活用しているメールサービスなどを利用して連絡を密にする必要があります。
メールの場合は緊急時に対応が難しいので、信頼できる指導者を探して保護者に連絡先を渡すことに同意してもらうことができれば、問題が起こりづらく教員の負担が減りますね。
年間・月間指導計画の作成
部活動の活動計画表は唯一教員がしなければならない仕事とされています。
↓文部科学省からの通達↓
部活動指導員が作成する場合は,学校教育の一環である部活動と教育課程との関連を図るためなど必要に応じ教諭等と連携して作成し,校長の承認を得ること。
学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知) (mext.go.jp)
しかし、休日に実際部活動を指導するのは指導員の方なので、顧問の先生とスケジュールを合わせて活動を計画をする必要があります。
特に体育館などのいろいろな部活動が活動する場所では、部活ごとに活動できる曜日や時間が限定されていることが多く、ほかの部活動と事前にスケジュールを合わせなければいけないので、指導者のかたのスケジュールを一ヶ月前には決めておき顧問の先生に伝える必要があります。
指導員の方も指導できる日にちを一ヶ月前に把握しておかなければいけません
教師がしないといけない「年間・月間指導計画の作成」
文部科学省からの通達にある通り、活動計画表は校長先生の許可が必要で教員が作らなければならないことになっています。
そのためほかの部活動と場所の割り当てを確認したり、大会や学校行事のスケジュールを確認した上であ当店指導員の方のスケジュールと合わせて計画表を出さなければいけません。
生徒指導に係る対応
生徒との関わりの時間が短くなる部活動指導員では生徒指導を一人で解決することはどうしても難しいです。
学校も一人の生徒に対して、学年主任や教頭先生と相談して複数で指導に当たったりと、問題生徒に対してはかなり計画を立てて対応しています。
そのため、なかなか難しいですが、チームの中で一人の子がミスをした時に集団で笑われたりなど、些細な事でも気づいたことを顧問の先生に伝えると学校の中で共有できとても助かります。そういった連携をすることで、顧問の先生からも生徒からも信頼を得られるようになります。
部活動指導員は,部活動中,日常的な生徒指導に係る対応を行うこと。いじめや暴力行為等の事案が発生した場合等には,速やかに教諭等に連絡し,教諭等とともに学校として組織的に対応を行うこと。
学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知) (mext.go.jp)
特に最近は体罰・いじめなどの問題に厳しいですからね
・誰かがミスした時にみんなでそれを裏でこそこそ笑う
・休憩時間にも他の生徒としゃべっていない子がいる
・喧嘩をしている時に1対多数の構造になることがある
これらは問題が起こる前兆なので、危険を察知して全体に向けて指導したり、一人ひとりに話しかけたりして、問題を大きくする前に解決できると指導がとてもやりやすくなります。
教師がしないといけない「生徒指導に係る対応」
今までは部活動が生徒指導の一つの場として、生徒たちを一つの目標に向かわせ一生懸命に物事に集中させることで、言い方悪いですが疲れさせて悪いことをさせなくするという役割をしていました。
その部活動が学校から離れることはメリットは大きいですが、生徒指導の問題は増える可能性が高まります。
だからこそ、実際に指導している指導者の方とコミュニケーションを取る機会を多くする&たまには実際に部活動に顔を出す等して、部活の時の生徒の様子を確認することで、子供たちの安全を守っていきましょう!
また、クラスの生徒に活動の様子を確認して、問題が大きくなる前に対処することが必要となりますね。
生徒指導に関しては指導員が入ることにより先生にとって難しい面が出てくるでしょう
事故が発生した場合の現場対応
部活動指導員は,事故が発生した場合は,応急手当,救急車の要請,医療機関への搬送,保護者への連絡等を行い,必ず教諭等へ報告すること。特に,重大な事故が発生した場合には,学校全体で協力して対応する必要があるため,直ちに教諭等に連絡すること。
学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知) (mext.go.jp)
怪我をした時の対応が、部活動指導していて面倒くさいことの一つです。当然スポーツなので怪我をすることは当たり前ですが、最近は過保護な保護者も増えていますので、何か問題があった場合はなるべく保護者に連絡するようにしましょう。
特に頭を打ったり、熱中症の症状は後から悪くなる可能性があるので、連絡しなかったことで余計な責任を負う危険性があります。
保護者連絡の方法は、顧問の先生にしっかりと確認してくださいね!
熱中症対策等で昔よりも行わせる運動量が減っていることは知っておきましょう!
平成の部活動と同じように指導すると、今は割とクレームが来ちゃいます、、、
教師がしないといけない「事故が発生した場合の現場対応」
事故があった時現場には指導者の方しかいないので、どのように対応すればいいのかしっかりと伝えておきましょう。特に緊急時の保護者への連絡方法は必ず共有しておく必要があります。
教員がする仕事
部活動指導員に部活動を任せることができれば、部活動指導という長い時間の拘束から解き放たれることができますが、全ての活動を任せられるわけではなく今まで通り一部の部活動にかかわる仕事を行わなければなりません。
特に現状を平日の部活動はまだ移行させるには難しい気がしています
しかし、本サービス”部リッジ”を立ち上げた理由も、部活動指導員を普及させて平日の部活動も指導員に任せられるように予算を増やしたいからです!少しずつでも部活動の外部移行を一緒に推進して行きましょう!
教員がまだ行わなくてはならない仕事は↓の通りです。
教師が実際に行うことになる仕事
- 平日の部活動(今のところ)
- 部活動計画表の作成
- 緊急連絡先等の個人情報の扱い方の検討
- ユニフォームの発注や大会への出場申し込みなどの事務
- 指導者探し
特にネックな指導者探しを簡単にしてくれるのが本サービス”部リッジ”です
指導員の探し方
学校の先生の負担を減らすために
部活動指導員を充実させる手助けをするためにサービスを立ち上げました!
部リッジによって、今までとても面倒だった「学校の指導員になるまでの道のり」を格段に簡単にしました!
これまで、部活動指導員になるためには、このように指導者の方が各自治体の人材バンクに登録して、そこから教員が人材を探してコンタクトを取るという超絶手間な手順を踏む必要がありました。
このシステムだと指導者の方の負担がとても大きく、面倒くさいものでした。
登録したところで、学校が指導員を募集しているかもわからないし、そもそも面倒くさいので今まで多くの人が指導員登録をしていませんでした。
指導員登録しない理由
- 紙で送らなければならず、住所や指導可能曜日が変わった時は訂正する手段がない
- 登録は各自治体ごと(市ごと)に登録する必要があるから、市をまたいだ場所に指導員になるのは手間だった
- 指導員から見ると学校が本当に募集しているのかわからず、結局登録しても意味なくない?となってしまう
- 自分でチームを探そうとすると、1つ1つの学校に聞かないとダメでとても手間
- 自治体で登録してしまうと、「県大会を目指したい」「楽しくスポーツ教えたい」のかといった温度感が合わない学校に勤務することになるかもしれない
指導員にとってハードルがとても高かった、、、
しかし、部リッジによって、これからの部活動探しはこのように変わります!
指導者のすること
- 自分の情報を入力(指導可能場所・曜日・競技・自己PRなど)
- 学校を探して応募
学校のすること
- 部活動情報を入力(活動曜日・競技・人数・大会実績など)
- 指導者を探してオファー
指導員・学校がそれぞれ情報を登録するから、相互にすぐ条件にアクセスでき、スムーズにマッチングできます!
部リッジには今までとは違う、「4つのメリット」が先生にも指導員にもあります!
詳しいことは先生向け/指導員向け書いてあるので、そちらの内容を参考にしてください!
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